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紀伊山地の霊場と参詣道(那智大社・大雲取越)

2003年5月2日(金) 8:40出社、今朝のニュースによると、SARSの患者、死者とも増え続け、31の国と地域で計5,865人と391人に上ったとのこと、暫く収まりそうも無く、日本に飛火するのも時間の問題か、GWというのに成田空港も天安門広場もガラガラである。半休を取り12:00過ぎに退社、社宅に帰り昼食を済ませる。リュックに着替え一式を詰め込み14:00出発、川崎駅へ向う。快速アーバン号の中では、「街道をゆく・第17巻」を読んだり居眠りしたり、すっかり休暇モードである。16:50川崎駅改札口で妻と待ち合せ、バスで浮島ターミナルへ行く。ターミナルは古びており、うらぶれている。GWというのに船客も少なく、いかにも時代遅れの輸送手段、乗船名簿に記入したりして時間を潰す。当初は宮崎~川崎間直行のみであったのが、昨年から那智勝浦や高知にも寄港するようになったらしく、㈱マリンエキスプレスの経営も楽ではない。18:30乗船、Pacific Express号の船内も薄汚れており錆が目立つ。BデッキA403号室、4人部屋の個室でTV、シャワー、トイレ、2段ベッドが完備している。早速妻手造りの弁当を食べる。食後船内探検に出ると、レストランはバイキング方式で一人1,500円、結構混んでいる。サウナ付きの展望大浴場に行く。浴槽が3つあり、10人位同時に入れる。22:00ベッドに入り、ゆらり、ゆらゆら、機関の音と振動を子守唄代わりに眠りにつく。

5月3日(土) 5:00起床、今日も好天で幸先が良い。お握りとコーヒーの朝食を済ませるうち、那智勝浦港が近づく。02_37 5:50入港、照葉樹の新緑が盛り上がる山の様子は房総の風景に似る。バスが接続しており、那智駅乗り継ぎで那智山へ登る。6:50神社・お寺前駐車場着、早速参拝へ向う。早くも団体さんがやってくる。参道石段の途中に史跡中世行幸啓宿泊所、実方院があり、庭内には樹齢450年、和歌山県指定天然記念物“モッコクの大樹” がどっしりと根を下ろしている。先ず那智熊野大社へ参拝する。ご神木は“那智の楠”(樹齢800年)で樹高27m、胸高8.3mの巨樹、胎内潜りまである。やはり県指定天然記念物である。全国約4,000社の熊野神社の本社であり、夫須美大神(伊邪那美尊)が主神、1,680年の歴史を誇る。ご神木脇の階段を下って行くと青岸渡寺の境内に入る。西国33観音霊場第一番札所の大寺である。本堂は熊野最古、築450年の檜皮葺きの建物で、天正18年豊臣秀吉が再建したものである。ご神木は樹齢700年のタブノキ、同じく県指定天然記念物の巨木である。境内は広いが、良く手入れされている。国指定重文、元享2(1322)年建立の六角堂・宝篋印塔や三重の塔、阿弥陀堂(納骨堂)などを見学する。03_17 どこからでも那智滝が見え、5月の新緑とツツジの花が美しい。手洗いを済ませてすっきり、8:30熊野古道(大雲取越)に入る(標高350m)。両側は老杉鬱蒼としており、苔生した幅広の石段が延々と続く。林床にはムラサキマメツツジ(仮称)、フユイチゴ、それに関東では見かけないシダが多い。9:00大戸平(那智高原)、昭和52年に植樹祭を実施した所である。古道の両側はびっしりスギが植林されていて景色の良い所は殆どない。ひたすら前へ前へと歩く。9:55登立茶屋跡(690m)、10:40船見茶屋跡、「幟たつ沖のけしきや船見茶屋」の歌碑があり、東屋がある。妙法山を正面に拝み、那智湾、太地方面を望む展望所である。11:00船見峠(883m)、そこから急降下して11:15八丁ノ掘割(花折街道分岐、色川1.9km)、古道も大雲取林道(舗装車道)に所々寸断されている。大雲取林道を1.5km歩き、12:15地蔵茶屋跡(765m)につく。逆方向から来たハイカーが10人ほど東屋で弁当を広げている。地蔵堂にお参りし、渓水の畔で一服する。道はそこから再び登る。12:45石倉峠(840m)、斉藤茂吉翁の「紀伊のくに大雲取の峰ごえに一足ごとにわが汗はおつ」の歌碑が建つ。水筒も底を着き、谷の水を飲み飲み進む。鞍部(765m)に下り着くと、そこにも長塚節の「かがなべて待つらむ母に眞熊野の羊歯のほ長を箸にきるかも」の歌碑がある。昔の文人墨客も苦労してこの峠を越えたのである。05_8 アップダウンが多く本当にきつい。13:35越前峠(871m)、大雲取山(966m)への登山道が分かれており、経験者向きと道標にある。そこには土屋文明の「輿の中海の如しと嘆きたり石をふむ丁(よほろ)の事は伝へず」の歌碑がある。そこから道は延々と下る。14:10胴切坂(660m)、14:55楠ノ久保旅籠跡、15:05休憩所、水道があり冷たい清水を補給し生き返る。真夏のように暑い日で、蝉の鳴き声がやかましい。15:30円座石(わろうだいし)、16:00漸く県道へ出て熊野川町小和瀬の南方商店前(標高200m)に着く。那智大社前でバスを降りてから約9時間のウオーキング、途中茶店も商店も自販機も全く無く、実にハードなコースである。熊野古道の中では一番きついかも。電話をかけてマイクロバスに迎えに来てもらう。19人のグループと相乗りで熊野川温泉「さつき」に入館する。部屋は10畳間の冨士根、ゆったりしており新しい。早速温泉(アルカリ性単純泉、泉温27.8度)に入って汗を流しさっぱりする。「さつき」は財団法人熊野川町ふれあい公社が運営する公共の宿、日帰り入浴(11:00~21:00)も受け付けており、ために館内も風呂も混雑するのが難であるが、地鶏のスキヤキや鰤の塩焼きなど料理は美味しい。キリンラガーの中壜(滋賀工場、4月中旬製造)を飲むと疲れが出て20:00頃ダウン、妻は宿泊客専用になった時間にもう一度風呂に行ったらしい。(続く)

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