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知床八景

2009年6月29日(月) 6:15起床、好天の兆し、空が明るい。朝食はシシャモと納豆をおかずにご飯を2杯食べる。 食後、宇登呂漁港へ行き知床観光船発着場の下見。 その序にオロンコ岩の頂上に登る。急な石段を登って頂上に出ると、そこはエゾキスゲ、エゾノシシウド、ヒオウギアヤメなどの花畑、四等三角点が置かれ、知床連山の眺めが素晴らしい。Dsc07289_2それもその筈、オロンコ岩は知床八景の一つに数えられている。他の七箇所は、オシンコシンの滝、プユニ岬、フレペの滝(乙女の涙)、知床五湖、カムイワッカ湯の滝、知床峠、夕陽台とのこと、今日は知床八景巡りを試みる。夕陽台はホテルの裏手なので歩いて行ってみる。丘陵の先端部にある展望台で眼下にウトロ漁港とオロンコ岩を望み、 その向こうに果てしないオホーツクの海が広がる。ウトロ夕照は後の楽しみとし、一旦ホテルに戻る。9:20再びホテルを出発しネットで予約しておいた知床観光船乗船へ。船着場にある町営駐車場は有料(400円)、不景気のせいかおおらかだった北海道もすっかり世知辛くなる。駐車場の傍らには、幕末の蝦夷探検家であり、北海道の名付け親でもある、松浦武四郎(1818-1888)の没後百周年の顕彰記念碑が建つ。翁の著作「知床日誌」にDsc07290ある「山にふし 海に浮寝の うき旅も 馴れれば馴れて 心やすけれ」の歌が刻まれている。10:00おーろら号乗船、以前網走港から乗った流氷観光船と同じ船、夏場は岬巡りに転用されている。展望デッキへ上り、進行方向右側のベンチに陣取る。天気晴朗で波静か、これ以上望めないほどの好日に恵まれる。但し、 午前中は逆光になるので写真撮影には不向き。出発して間もなく、半島の脊梁を形成する羅臼岳(1,661m)、三ッ峰(1,509m)、サシルイ岳(1,564m)、オチカバケ岳(1,450m)、知円別岳(1,544m)、硫黄山(1,563m)の知床連山が姿を現す。谷筋には未だ白く雪が残る。船が進むにつれて刻々連山の姿が変化する。知床半島のウトロ側(西岸)は断崖絶壁の連続、オホーツク海の風波に削られた海蝕断崖が岬の先端まで続く。おーろら号は定員400名の大型船なので崖際まで近寄ることはできないが、プユニ岬、湯の華の滝(男の涙)、岩尾別湾、オーバーハング、カDsc07296ムイワッカの滝と、見所に近寄っては離れる操船を繰り返す。 硫黄山航路(所要時間1時間30分、料金3,100円)はカムイワッカの滝を見た所で引き返すが、知床連山の眺めも海蝕断崖の見所もそこまでがハイライト、その先知床岬迄は景色が単調になるのと船旅に飽きるのとでやや退屈する。船内に、加藤登紀子が歌う「知床旅情」と、さとう宗幸が歌う「岩尾別旅情」が流れる。「北の涯知床の 吹く風はつめたく 波荒いオホーツクに 白いカモメはあそぶ 丘の上に咲く一輪の エゾニューの花によれば 茜色の空に光る 小さな星ひとつ」。「岩尾別旅情」はさとう宗幸が未だ無名時代に、知床の岩尾別ユースホステルに宿泊した際に作った歌で、今もユースホステルで歌い継がれているそうな。同じ仙台出身で、 今では親類縁者だけに、どうしても肩入れしたくなる。「友と語る知床の 岩尾別の宿よ 静かに雨降る夜の 思い出はもう消えぬ ランプを見つめ彼の友と 旅の情うたえば 暗い夜の谷間へそっと 美わしく流れゆく」。ルシャ湾など断崖が切れて石浜となっている箇所には番屋が点在する。一帯は9月から11月にかけて鮭の好漁場とのこと。Dsc07297_2エンジンの振動が全身マッサージのようで心地好い。知床岬が近づくと、蛸岩、カシュニの滝、観音岩、眼鏡岩、獅子岩と奇岩怪石が立て続けに現れる。11:45知床岬に到達、北緯44度22分、東経145度20分の地である。岬の先端部分は台地状の草原で昭和38年建設の知床岬燈台が立つ。薄雲で国後島の島影は 望めない。暫らく岬の沖合に留まった船は、やがてUターンしウトロへ引き返す。 帰りは太陽が中天に昇り、写真を撮るには好条件となる。名所毎に往路と同じく接近と説明をしてくれるが、復路は船室に入り昼寝する人が多くなる。知床岬航路は所要時間3時間45分と長く、料金も6,500円と高いので、どうしても岬の先端を見てみたいと云う人以外には勧められない。13:50漸く宇登呂港帰着、車に戻ってカムイワッカ湯の滝へ向かう。R334から知床公園線に入り、カムイワッカ湯の滝と知床五湖との林道分岐に至ると、何故かカムイワッカ湯の滝・知床大橋方面はゲートで遮断されており通行止め、やむなく知床五湖へ。 知床五湖の駐車場(有料410円)に車を入れると、ヒグマが出没しているため今日は一湖と二湖のみ開放とのこと、昨日は駐車場にも出てきて遊歩道の全てがクローズだったらしい。事故があっては観光の目玉に大打撃を受けるので、地元は神経質になっている。世界自然遺産も結局のところ商売道具であり、駐車場の一角には大規模物販店が建ち、広大な笹原の中に無粋な高架木道が遥か彼方まで延びる。 一湖(標高239m、面積1.8ha、周囲0.7㎞、水深3m)と二湖(標高239m、面積5.3ha、周囲1.5㎞、水深4m)を巡ってみたが、団体客がぞろぞろ声高に歩き神秘的雰囲気は 皆無、こんなことなら全面的に立入禁止にした方がよいのでは。もっとも、二湖に映る逆さ知床連山は美しい。帰路、羅臼岳登山口のある岩尾別温泉へ偵察に行く。道路沿いにエゾシカが頻々と出没し危なくて仕様がない。林道の終点に岩尾別温泉・ホテル地の涯Dsc07312が建つ。場所と名前に似つかわしくない近代的建造物である。日帰り入浴料は800円とのこと、これまた鄙には似合わない料金。傍らに無料の露天風呂があり、そちらの駐車スペースは満車である。 次はフレペの滝(乙女の涙)、ビジターセンターの駐車場に車を置き、往復2㎞、40分の林道を歩き始めると、先の林でヒグマが出たとかで通行止め、公園管理官が安全を確認するまで待たされる。16:25漸く開放になり、問題の林を足早に通り抜けると、見渡す限りのワラビ原が現れる。太くて良質のワラビが起伏のある台地を隈なく覆っている。 本州では絶対見られない光景である。断崖の先端に四阿が建ち、そこからフレペの滝が眺められる。ウトロ燈台と知床連山を背景に、絶壁をさらさらと海に流下する滝は愛でるに値する。未だ明るいのでオシンコシンの滝へ行く。双美の滝とも称されるオシンコシンの滝は、いつ来ても水量が豊かで見ごたえがあり、日本百名瀑の名に恥じない。18:10ホテルに戻る。夕食は懐石料理、鮭のルイベ、カスベ(エイの頬肉)の煮付け、知床地鶏の鍋などを賞味する。(続く)

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