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世界文化遺産「ヴァッハウ渓谷」

2010年4月20日(火) 6:00起床、7:15-8:00朝食。パン、ハム、野菜、ヨーグルト、ドライフルーツなどをたっぷり食べる。成田からウィーンへ直行するOS便が飛び立ったとのことで一安心。8:15家人とヴァッハウ渓谷へ出発、今日はガイド兼ポーター役を引き受ける。先ず近くのオーストリア銀行支店へ行き 1万円をユーロに両替する。1€127円のレートはともかくP1130259手数料が4.85€と高く、73.92€(135円/€)にしかならない。ローゼンシュタインガッセから市電に乗り3駅目のアルザーシュトラーセ(Alser Strasse)で地下鉄U6線に乗り換えウィーン西駅に出る。西駅構内は大混雑、ドイツやスイス方面への長距離列車が出るので飛行機を諦めた旅客が殺到し、中には寝袋持参で駅舎やホームに泊り込んで出発を待つ人も多い。割安のヴァッハウ・コンビチケット(ウィーン西駅~メルク~クレムス~ウィーン・フランツ・ヨーゼフ駅の周遊切符にメルク修道院の入場券が付いて46.6€)を買おうと切符販売窓口に行くと、そこは長距離列車の切符を求める人々で長蛇の列、諦めてOBBの係員に手伝ってもらいデュルンシュタイン(Duernstein)行きの片道切符(13.7€)を2枚購入する。  自販機でもクレジットカードが使えるので助かる。デュルンシュタインは無人の小駅らしく直通列車はなく、途中で2回乗換えが必要との事、係員は親切でインフォメーション窓口に同行してくれ、乗換駅と到着時刻、乗り換え列車と発車時刻を記入したA4の用紙を貰ってくれる。ドイツ語表記であるが読む分には差し支えない。9番線のインスブルック行き鈍行列車に乗り込むと車内はガラガラ、席には小テーブルも付いておP1130231り快適である。9:44発車、直ぐに検札がやって来る。ウィーン郊外は新緑の森がどこまでも広がり美しい。美瑛町のパッチワークの丘を思わせる景色も現れる。10:30ザンクト・ペルテン(St.Poelten)駅到着、降りると隣のホームに乗り換え列車が入線している。その列車も又がらがら。座席の坐り心地もなかなか良く、トイレもバリアフリーで広々と清潔、オーストリアのローカル列車の旅はくつろげる。クレムス(Krems/Donau)に近づくとブドウ畑が多くなる。ドナウ川を渡ると間もなくクレムス到着、二箇所目の乗換駅である。 乗り換え列車の発車時刻12:00まで45分間待ち時間があるのでクレムスの町歩きに駅舎を出る。改札がないので途中下車も自由自在、駅前から延びるディンスツル通りを北上し、目抜き通りの上ラントシュトラーゼ(Ober Landstrasse)を町のシンボルであるシュタイナー門(Steinertor)まで歩く。そこで折り返し、ワイン博物館に寄り道しただけで駅に引き返す。 今日は気温が高く、急いだことで汗だく。12:00 2bホームからシュピッツ(Donau/Spitz)行き列車に乗る。P1130235列車は広大なブドウ畑の中をドナウ川に沿って走る。12:10ヴァッハウ渓谷に点在する古都の中でも最もロマンティックな町と云われるデュルンシュタイン到着、早速町の中心へ向かう。国道下のガードをくぐりハウプト通りを歩いて行き、城門をくぐって旧市街に入る。石畳の敷かれた目抜き通りは意外に狭く土産物店やレストランも小粒、小さな可愛らしい町である。市庁舎の前を過ぎるとシュロスホテルの土塀が続き、その先でドナウ川を見下ろす高台の駐車場に突き当たる。そこはお誂え向きの見晴台、水量豊かなドナウ川と両岸から緩やかに立ち上がる山々を眺めることが出来る。渓谷という呼名から急流と両岸に迫る断崖絶壁をイメージして 来たが全くの別物、広闊な展望である。ちょうどドナウ・クルーズ船が入ってくる。傍らに建つ古城ホテル(Schlosshotel Duernstein)は5つ星の高級ホテル、1630年に建てられたバロック様式の城をホテルに改装したものである。入口の前で記念撮影してから河畔に降りてみる。河畔に沿う遊歩道を歩くと、砂地の河岸に沢山の鴨が羽を休めている。河岸から遊歩道へのかけ上がりと遊歩道からブドウ畑への斜面はタンポポの黄色い絨緞に彩られる。段丘の上にはデュルンシュタインの家々がこじP1130238んまりと建ち並び、後背に聳える山上にはケーリンガー城址(Ruine Kuenringerburg)が見渡せる。成る程、のんびり散策するには良い所である。一軒の家の壁に過去のドナウ川の高水位が示してあり、過去最高は1862年(3~4m位か)、次は1899年、1897年、1954年、1920年、1923年の順、最近は治水対策が進んだのか幸い大規模出水は無いようである。対岸のメルクへ渡る船はないかと聖堂参事会修道院教会の真下にあるドナウ川遊覧船(DDSG)の船着場へ行ってみたが、今の時期午前の一便しかなくてアウト、仕方が無いので列車で大回りして向かうことにする。案内に従い 駅近くのツーリスト・インフォメーションがある建物で切符を買おうと思ったが係員がいない。首を傾げながら駅に戻る。時刻表を見るとメルク(Melk)への乗換駅であるクレムスへ戻る列車は1時間に1本の割合、13:46発の列車が間もなくやってくる。何のことは無い、車内に切符の自販機が設置してありクレムスまで2.4€、釣銭もちゃんと出る。14:00再びクレムス駅。構内のインフォメーションでメルクへ行ってからウイーンへ戻る切符を買おうと相談すると、28€出せば大人二人が乗り降り自由の24時間フリーパス”Einfach-Raus-Ticket”なるものがあると云う。今朝の西駅でこのチケットを入手すれば今日の交通費は半分で済んだものを。後の祭りであるが、薦めに従いERTを購入する(後日調べでは、ERTは最も安上がりの得々切符であり、1枚で同時に2~5人が利用できる。平日は9:00a.m.~翌日3:00a.m.、土日祝日は0:00~翌日3:00P1130244a.m.の間、特急を除くOBBの中近距離列車や近郊電車(S-Bahn)が乗り放題とのこと、グループや家族旅行に最適である)。14:35の列車に乗り、再びのザンクト・ペルテン駅でアムシュテッテン(Amstetten)行きに乗り換える。隣席に小顔の女子高生が坐り話をするとメルクに住んでいるとのこと、今回の旅で初めて美人らしい美人に出会う。15:50漸くメルク着、跨線橋を越えて真っ直ぐ丘の上のメルク修道院へ向かう。メルク川を眼下に望む岩山の上に立てられたメルク修道院は、修道院というよりは城郭か宮殿を思わせる。 11世紀、バーベンベルク家のレオポルト1世がベネディクト派修道院をここに建立、18世紀に改築され、オーストリアバロックの至宝とまで謳われるほど華麗な建物である。長い石段を上り修復中の正門をくぐり入館受付に辿り着いた時は16:05、入場は16:00迄とのことで頑として入れてくれない。仕方が無いので逆コースで出口から侵入し、附属教会の脇のドアから内部に入り、ドームのフレスコ画(1P1130247716-17年、J.M.ロットマイヤ作)やコロマン祭壇、主祭壇など絢爛たる荘厳を拝ませてもらう。南面二階の皇帝の部屋に通じる皇帝の階段も見学できたが、ハイライトであるメルク の十字架、図書室、1770年、ルイ16世のもとへ嫁ぐ途中のマリーアントワネットが宿泊した部屋、メルク川を見下ろすバルコニーなどを見学できなかった事は残念至極、入場料代りにミュージアムショップで図録(6.9€)を購入する。トイレの窓から眺めるメルクの町の景色はなかなかのもの、市庁舎前広場に下りカフェでソフトクリームを食べながら一服する。メルク発17:26の列車でウィーンへ戻る。試しにメルクからウィーン西駅までの料金を調べると15.4€、これではERT効果も限定的。19:15無事ホテルに戻る。早速ビールを飲み、スーパーマーケットで仕込んだ食料品で夕食を済ませる。近年は添乗員や現地ガイド付きのパック旅行に馴れてしまっていたため今日は思いのほか疲れたが、時間の制約なしで行きたい所へ自由に行ける旅本来の面白さを再認識した日。(続く)

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