« 世界文化遺産・古都バクタプル | トップページ | ラムコットからのヒマラヤ観賞 »

ナガルコットからのヒマラヤ日の出観賞&古都カトマンドゥ

2010年11月19日(金) 4:30起床、綿入れ布団と毛布が重くすっかり肩が凝る。髯を剃りコーヒーを沸かしていると突然停電、部屋の中が真っ暗になり、水道もトイレも水が出なくなる。手探りで懐中電灯を探し当てると間もなく復活、事なきを得る。やれやれ、自家発電に切り替えたのであろうか(ネパールでは都会でも毎日数時間の強制的停電がありインフラ整備はまだまだ遅れている)。6:00山の端が明るくなる。全ての部屋が山側なので、テラスからもヒマラヤの峰々がばっちり望める。紫色の高峰の連なりが黎明の空に浮び、下界のカトマンドゥ盆地は霧の海。実に幻想的な景色が眼前に広がる。霧の底から寺院の鐘の音や鶏鳴、犬鳴が聞えてくる。もっと良く眺めるために屋上展望台へ行く。既に大勢の泊り客が北側の縁に陣取りカメラを構えている。 冷え込みはさほどでもないが、ホテルが提供してくれる熱い紅茶のサービスが嬉しい。今日は快晴、ナガルコットから見えるヒマラヤの全山を眺めることができる。オーパ!、素晴らしい。一番目立つのは三峰のドルジェ・P1130899 ラクパ(6966m)とその直ぐ左のグール・カポリ(6874m)、陽が昇るにつれて両峰の雪嶺東面がオレンジ色に輝く。まさに神々の座、天然の曼荼羅である。ドルジェ・ラクパの右隣のプルビ・チャツ(6722m)も大きく、その右に連なる屏風の中で目立つピークは、カラネ・ティッパ(5647m)、チョバ・バムレ(5970m、烏帽子状)、ガウリ・シャンカール(7145m)、リンダルツブコ(6690m)、ヌンブール(6945m、烏帽子型)など、 ヌンブールの先で壁が切れて雲の海となり、太陽はそこから昇ってくる。ガウリ・シャンカールの左肩にチョー・オユー(8153m)、リンダルツブコの右肩にエベレスト(8848m)が見える筈だが、肉眼ではちと苦しい。ドルジェ・ラクパの左方に続く屏風に目を転じると、グール・カポリの先にガン・チェンボ(6297m)、ランタン・リルン(7246m)、ガネシュ・ヒマールのⅠとⅤ峰(7406mと6950m)、同Ⅱ峰(7150m)、同Ⅳ峰(7102m)などの雪嶺が目立つ。グール・カポリとガン・チェンボの間の馬の背はシシャパンマ(8013m)であるが、8000m峰はいずれも最奥山で距離が遠くピークとしては目立たない。露出を変えながら何枚もシャッターを切ったが、安物のデジカメでは遠くに聳える高峰群の姿をとらえるのは困難、日の出とともに霧が湧き上がり次第に山々は隠れてしまう。それでも数日前までは雲に隠れて全くヒマラヤの姿は拝めなかったとのこと、今日の我々は幸運である。6:30満足したので朝食に行く。ベーコンと野菜の煮物とバナナを食べコーヒーを飲む。ビタミンC補給にザクロも1個確保。7:30カトマンドゥへ向け出発、又あの山道をバスで下るかと思うとぞっとする。それでも早朝のためか対向車が少なくスイスイ、P1130875 杞憂に終わりほっとする。車窓から人々の暮らしを垣間見ると、戸外で歯磨きする青年あり、庭先の盥で洗濯する婦人がある。多くの国民は今でも沐浴するだけで石鹸で体を洗う習慣はないとのことであったが、近代化とともに衛生習慣も変化しつつあるのだろう。又、牛糞まみれの敷き藁を田畑へ運ぶ姿や、脱穀後の藁束を家へ運び込む姿も見られる。それらは全て人力、山のような積み藁を人が背負って運んでおり、何百年も昔から変わらぬ生活もある。カトマンドゥに近づくと大渋滞に巻き込まれる。ピーピー、プープー、誰もがやたらに警笛を鳴らし我先に道を急ぐ。交通ルールなど有って無きが如し、喧しいこと、危険な事はこの上ない。交差点には必ず警察官が立ち、信号機の代りに交通整理に当たるが、いかんせん車やバイクの数が多すぎる。道路の許容量を遥かに超えている。空気が悪いせいか人々はしょっちゅう道路に唾を吐く。また、マスクを着けている人も多い。但し、黒やP1130880青の色マスクなので少々奇異な感じを受ける。 街中のゴミの出し方は非常にルーズ、生ゴミを始め何でもかでもそのまま道端にうず高く積み上げる。ゴミ収集車がスコップで荷台に掬い上げていたが、分別収集などは夢のまた夢。カトマンドゥ市内観光の最初は、市の西郊2㎞にあるスワヤンブナート、ネパール最古の仏教寺院であり、カトマンドゥ盆地で最も重要な仏教の聖地である。バス駐車場から石段を登り丘の上の寺院へ向かう。100匹ほどのアカゲザルが賑やかにお出迎え、 猿はヒンドゥー教の神様(ハヌマン)なので大事にされている。ここの猿は供物を餌にしているばかりでなく、煮豆で餌付けもされている。最上部のテラス中央に純白の巨大なストゥーパ(仏舎利塔)が建つ。 東が正面であり、麓から急階段の表参道が登ってくる。 正面の側壁に密教の本尊佛である大日如来(毘盧遮那仏)が安置され、その前に巨大なドルジェ(金P1130884剛杵)が置かれている。ストゥーパを時計回りに巡りながら、チベット仏教カギュ派のゴンパ(僧院)や巡礼宿やハリティ寺院を覗いたりする。狭い境内には他にもインド・シカラ様式の仏塔など様々な建造物が建ち、仏具を商う店も数軒並んでいる。参詣人と観光客とが入り交じり、聖地らしい厳かな雰囲気は感じられない。それでもストゥーパの上部四面に描かれた「ブッダの知恵の目」は有り難い感じ、昔から変わることなく静かに人々の暮らしを見守っている。バスに戻り旧王宮前広場(ダルバール広場)へ移動する。バスから降りると再び警笛、排気ガス、土埃に包まれる。世界遺産の旧市街をじっくり見学してやろうという気力が萎えてしまう。それでも、白壁の旧王宮、 その入口であるハヌマン・ドカ(猿神の門)、ハヌマン・ドカの前に建つハヌマン像、タレジュ寺院、カーラ・バイラブ像などを見学する。P1130888_2カーラ・バイラブは破壊神シヴァの化身のひとつ、ネパール人には恐ろしげに見えるらしいが、我々には漫画か童話的、どう見ても憤怒の表情には見えない。最後は広場の南に建つクマリの館、窓枠の木彫りが芸術的なレンガ造りの建物である。そこには女神クマリの化身として崇拝される少女が住んでいる。生き神クマリには、ネワール族の僧侶カーストで あるサキャから、初潮前の美しく利発な少女が選ばれる。中庭に入り三階の窓辺に顔を出すというクマリを待ったが、今日は宗教行事で忙しいとかで現れず。クマリの館を出て バサンタプル広場で一旦解散、30分間の自由時間になる。改めてダルバール広場の周囲に建つ寺院を見物。広場中央に建つシヴァ寺院の基壇最上部まで登り、基壇をP1130890時計回りに巡りながら周囲の寺院を眺める。広場北側に建つのがシヴァ・パールヴァーティー寺院(18世紀後半建造)、一層屋根の建物で窓枠には緻密な木彫が施され、上層中央の窓からシヴァ神とパールヴァーティー妃のカップルが仲睦まじく下界を覗いている。南側に建つのはヴィシュヌ神を祀る三層屋根のナラヤン寺院(17世紀末建造)と、カトマンドゥの名前の由来となったネパール最古の建造物、カスタマンダブ寺院(12世紀頃の建造)である。12:05バスに戻り昼食へ。 昼食会場はエベレストホテルの7階にある展望レストラン「マンダリン」、チベット料理のギャコク(鍋料理)とモモ(蒸し餃子)、焼き餃子などを食べる。チョコレートアイスのデザートは美味しそうだが体調維持のためパス。13:00空港へ向かう。国内線ターミナルビルは一段とお粗末、13:45ブッダ・エアー(Buddha Air)のカウンターにSCを預ける。2回のセキュリティーチェックを受け出発ロビーに入るとそこは大混雑、各P1130572方面へ飛ぶ便が軒並み遅れており、係員も乗客も殺気立っている。我々の便も2時間遅れ、国内線はいまだに有視界飛行であり、少し霧が出ても飛ぶのを見合わせる。出発予定時刻はあくまで予定でしかなく、その日のうちに飛べば御の字ということらしい。出発ロビーのYETI AIRLINEのインフォーメーションカウンターに座る女性はとびきりの美形、 長く待たされたが初めてネパール美人に出逢えたことでよしとする。16:05漸く搭乗、ポカラ行き611便はATR42型のプロペラ機、それにしてもブッダ・エアーとは・・、お陀仏にならねばよいが。16:25離陸、期待したヒマラヤの高峰は雲に隠れてよく見えない。マナスルのみ稜線の一部が覗く。16:55たちまちポカラ空港に着陸、飛行時間は僅かに30分、大粒の雨が落ちてくる。迎えのバスでホテルへ向かう途中から雷雨、こうなるともう飛行機は飛べない。その場合、カトマンドゥからポカラまでの200㎞をバスで来るしかなく、7時間もかかるという。17:45フルバリ・リゾート&スパに到着、割り当ての3127号室に入る。ポカラ地区最高級のリゾートホテルで、標高800mの丘の上に建つ。部屋はゆったり、木材をふんだんに使った内装とローズピンクの壁紙はセンスがよい。電気ポットにコーヒー、紅茶、MWのサービスもある。先ず顔を洗う。鼻の穴も耳の中も真っ黒、終日マスクをしていたというのに・・、カトマンドゥの大気汚染恐るべし。18:00からロビー階レストランで夕食、昨夜と同じくダル(豆スープ)やタルカリ(野菜の煮込み)などの料理が並ぶ。味付けはいまいち、魚のフライは養殖魚なのか黴臭い。エベレストビール(缶)を飲む。その後、風呂に入って汗と埃を洗い流す。目薬を差し鼻と耳の穴を清掃、22:00頃ベッドにもぐりこむ。(続く)

|

« 世界文化遺産・古都バクタプル | トップページ | ラムコットからのヒマラヤ観賞 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 世界文化遺産・古都バクタプル | トップページ | ラムコットからのヒマラヤ観賞 »