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世界遺産「メテオラの修道院群」

2011年1月19日(水) 5:30起床。部屋の暖房が効き過ぎ、暑くて目が覚める。テラスに出て奇岩群を眺めると、 未だ暗い空に満天の星が輝き、下の村から鶏鳴が聞えてくる。お湯を沸かしてコーヒーを飲む。7:45朝食。このホテル我々の貸し切り、ほかに客はいない。固めのヨーグルト、ハム、チーズが美味、コーヒーは不味。朝食後ホテルの周辺散策、奇岩群の眺めこそ良いが町外れで何も無い。丘の上に登り奇岩と対峙する。ちょうど朝陽が岩峰の上に顔を出す。刺すように空気が冷たく足元からじんじん冷えてくる。海抜400m、こんな辺鄙な地に最初に住み着いた隠者達は満足な住居も十分な食糧もなく、幾ら信仰修道のためとはいえ苦労したことであろう。9:15ホテルを出発しメテオラの修道院群見学P1140723へ向かう。メテオラとは「中空に浮く」という意味、 最初にその天空に浮ぶ様を最も良く体現しているアギア・トリアダ修道院の撮影ポイントへ行き写真を撮る。なるほど天下の奇観、垂直に切り立った岩山の狭い頂に赤い瓦屋根と白壁の修道院が一杯一杯に建つ。1476年創建と伝わるが、最初にここに隠遁所を建てた時の資材や生活物資はどこからどうやって運び上げたのか、現在の登山技術をもってしてもその頂に立つのは容易でない。1925年に漸く麓から140段の階段が取り付けられ、物資運搬には動力のロープウェーが使われるようになったが、それでも世俗とは隔絶した暮らしP1140728であることに変わりない。この修道院は映画「007ユア・アイズ・オンリー」の撮影舞台にも使われたとのこと、帰国したらDVDを借りてチェックしてみよう。次はアギオス・ステファノス修道院の入場見学、1367年の創建で1961年からは女子修道院となっている。修道院が建つ岩山には駐車場の先から石橋が架かっているので容易にアプローチできる。聖堂内部の撮影は禁止、女性は体の線を隠すためロングコートか無料レンタルのロングスカートを着用しなければならぬ。受付の尼僧がひとり一人判定してくれるがなかなか厳しい。主聖堂はこじんまりしたものであるが、 円蓋に描かれた引き締まった表情P1140729のキリストや、堂内を埋めるイコンとフレスコ画は美しい。資料館には16~17世紀の古いイコン、聖書の写本、銀製の聖具などが所狭しと並べられている。又、テラスからのカランバカの町の眺めが素晴らしい。ピンドス山脈の雪嶺と青空を背景に、赤瓦白壁の家々がびっしりと並びまるで箱庭のような眺めである。拝観料は€2(各修道院同一)であるが、1988年の世界遺産登録以来特にオンシーズン(夏季)には観光客が大挙して押し寄せるようになり、財政事情も余程好転しているのであろう。隅々まで手入れが行き届き、すっかり観光寺院化して、 隠者にはほど遠い優雅な暮らしの様に見受けられる。再びパノラマスポットへ移動し写真タイム、駐車場P1140746からひと登りすると5箇所の修道院を一望出来る岩頭に出る。一番高い所に見えるのが14世紀に聖アトス山からやって来た修道士アタナシオス等が創建したというメタモルフォシス修道院(標高613m)、その直ぐ右手の略同じ高さの岩山の上に建つのがヴァルラーム修道院(595m)、左手ずっと下の岩峰上に小さく建つのがアギオス・ニコラオス修道院、その手前の岩山の上に建つのがルサヌウ修道院である。振り返ると逆光の中にアギア・トリアダ修道院(565m)が認められる。15~16世紀には修道院の数は24にも及び、王侯貴族の庇護を受け大いに栄えたメテオラも現在は大半が廃墟と化し、活動しているのは僅か6箇所にすぎない。厳しい修道生活を強いられる隠修士の後継者難は深刻であり、一方では俗化したメテオラを嫌い聖山アトスへ移り住む修道士が増えている。ギリシャ正教の聖地メテオラも風前の灯、全ての修道院が放棄されてしまうのも時間の問題か。入場見学の二箇所目は1517年創建のヴァルラーム修道院、メタモルフォシス修道院に次いで大きいが修道士はたったの5名しかいないとのこと。 駐車場から山門をくぐり、岩の間に付けられた150段ほどの石段を息を切らしながら登っていく。最も昔は梯子だったことを思えば大したことは無いが・・。生活物資の揚げ降ろしに使用していた巻き揚げ機(ヴリゾニ)の塔が断崖絶壁の上にせり出している。こじんまりした十字型構造の聖堂、クーポラに描かれた引き締まった表情のキリスト像、内陣と外陣を隔てるイコノタス、壁を埋めるフレスコ画など聖ステファノス修道院に良く似ている。ワイン貯蔵に用いられた木製大樽や巻き揚げ機の滑車なども見学する。最後にアギオス・ニコラオス修道院を見上げる撮影ポイントに行き写真を撮る。昼食は麓のカストラキ村のタベP1140749ルナ・ パノラマ、名前の通り奇岩の直下に位置し眺めが良い。ハーフボトルの赤ワインを飲みながら、ゲミスタ(味付けした米をピーマンやトマトに詰めオーブンで焼いたもの)とサラダと焼きリンゴを食べる。ワインを飲み過ぎて酔いが回り序に目も回る。13:10バスに乗りアテネへ向けまっしぐら、345㎞・5時間半の道程。15:25ラミアの町のドライブインで小休止、トイレチップ代りに缶ビールVERGINAを買う。17:20再びドライブインで小休止、そこでは乾しイチジクとロクムを買う。アテネ首都圏にさしかかると道路は大渋滞。パルテノン神殿のライトアップを写真に収めてから今宵の宿アテネ・インペリアルホテル(五つ星)に到着したのは20:10、部屋に入る前にレストランに直行し夕食を食べる。チーズパイ、グリークサラダ、ポーク料理が出たが五つ星ホテルにしてはいまいち。21:40ようやく412号室に入る。初めてお湯の出を心配することなくたっぷりと浴槽に湯張りしゆっくり湯に浸かる。極楽、極楽、バスローブもスリッパもCDプレーヤーも付いており、成る程今回の旅でベストのホテルかも。但し、ベッドは相変わらず狭く、カライスカキ広場に面しているので車の音がうるさい。明日のためにMWを沸かして日本茶を作りペットボトルに詰める。VERGINAを試飲してからベッドにもぐりこむ。(続く)

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