« 大吟醸 越後桜 | トップページ | フキノトウ »

小説「魔の山」

2015年2月18日(水) 「魔の山」(新潮文庫版)を間もなく読み終える。昨年、スイス旅行でダヴォスを訪れた際に、彼の地がトーマス・マンの代表作「魔の山」の舞台と知り、読んでみようDsc06724と思い立ったもの。標高1500mを超える高原都市ダヴォスは、今でこそスイス屈指のスキーリゾートや世界経済フォーラム(ダヴォス会議)開催都市として有名であるが、もともとは結核など呼吸器系疾患のサナトリウムとして造られた町。「魔の山」は、第一次世界大戦(1914-1918)前の、日常世界から隔離され、病気と死に支配されたダヴォスの一療養所ベルクホーフが舞台であり、そこで7年間の療養生活を送ったカストルプ青年が、いとこヨーアヒムの死、ショーシャ夫人との恋、文学者セテムブリーニとイエズス会士ナフタとの間に繰り広げられる思想・宗教・哲学・政治に関する議論等に啓発されて、次第に人間的に成長していく物語である。高橋義孝の名訳ではあるが、議論の箇所の分量が多く、読み易いとはいえない。それでも文中に、宿泊したホテル・ベルヴェデーレや散策した展望台シャッツアルプが出てくるし、リンドウなどの高山植物も出てきて、情景が目に浮かぶ。また上巻544頁と下巻47頁にはきのこも出てくる。何故かアミガサタケと訳されているが、文中に『ラテン名には「淫らな」(impudicus)という言葉が付け加えられており、云々・・』とあるので、アミガサタケ(Morchella esculenta)ではなくスッポンタケ(Phallus impudicus)であろう。

|

« 大吟醸 越後桜 | トップページ | フキノトウ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大吟醸 越後桜 | トップページ | フキノトウ »