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白神ラインと暗門の滝

2019年9月20日(金) 5:00集落にチャイムが鳴り渡る。皆早起き、5:30起床。朝は冷え込む。7:00-7:30朝食。その後支払い(税込み8,910円)を済ませる。歯磨きをして、奥様にお昼のお握りとリンゴを頂戴し、ご主人とがっちり握手して再会を誓い、民宿汐ケ島を後にする。8:00出発、今日は白神山地の観光名所「暗門の滝」を見物、それから弘前城を見学して仙台へ帰ることに。先ずは国道101号線に出て北上、直ぐに県道28号岩崎西目屋弘崎線(通称白神ライン)に入る。暗門滝まで57㎞、そのうち白神山地を貫く42㎞はダートの砂利道、まるで林道まがいの県道であるが、愛車のハスラーはこれ迄殆ど街乗りで、せっかくの地上最低高180mmを活かしてこなかったので、白神ラインでSUVとしての実力を試してみるつもり。県道に入って始めの15㎞、ゲートが現れるまでは舗装されていたが、その先42㎞はダートに変わる。一ツ森公衆トイレを過ぎ一ツ森峠に上がる。そこからは長い下り、ダート又ダート、乗用車ではちょっと厳しいかも。所々短い舗装区間はあるが、全体に道幅が狭く速度はせいぜい20km/H前後、これは時間がかかりそう。幸い対向車は全く来ない。9:30天狗岳展望所(標高750m)到着、南面が開け最高峰の向白神岳(標高1243m)など白神山地の山並みと世界一のブナ林が眺められる。
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その先、ほどなく深浦町と鰺ヶ沢町の町境の天狗峠、展望はないが尾根伝いに天狗岳(標高958m)への登山道が延びている。登っている人は皆無と見え、駐車場に1台の車もない。鰺ヶ沢町側は同じダートながら良く整備されており走りやすい。一途な下りで速度も30~40㎞/H出せる。それにしてもハスラーは路面の凹凸を良く拾い、縦揺れ&横揺れが激しい。街乗りでも感じていたが、未舗装路では余計に増幅される感じ、地上最低高だけ高くてもダートに適しているとはとても言えない。途中、軽トラックが何台か点々と駐まっており、その中の1台はトチの実拾いの夫婦、トチ餅の原料として業者に売るらしく、今の季節の貴重な現金収入なのであろう。下りきって9:57、奥赤石公衆トイレの駐車場で休憩、リポビタンDを飲む。赤石大橋を渡り、再び登り返して、10:26津軽峠(標高640m)に着く。
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広い駐車場と立派なトイレが整備してあり、向白神岳、白神岳(1232m)、太夫峰(1164m)、天狗岳など白神山地の大展望台、そこまで西目屋・弘前方面から路線バスが通じており、終着のバス停まである。後で調べて分かった事だが、津軽峠には日本で一番有名なブナの木「マザーツリー」と呼ばれる巨木(樹高30m、胸高幹回り4.65m、胸高直径1.48m、推定樹齢400年)があり、それを目当てにやってくる見物客があったらしいが、昨年の9月4、5日に襲来した台風21号の暴風で根元から9mの高さの所で幹が折れてしまったとのこと、遥々と津軽峠まで行って、其処から片道300mのマザーツリーに逢わずに素通りしてしまうとは、我ながら大失敗。津軽峠からの下りは何か所か路面が溝状に抉れており、乗用車では腹をこするかも。下りで初めて路線バスも含めて対向車5台とすれ違う。10:55漸く暗門の滝入り口の大駐車場到着、一帯はアクアグリーンビレッジANMONと名付けられ、食堂や土産物店、日帰り温泉施設が建ち並ぶ。名誉ある世界自然遺産なのだから、人工物はビジターセンターと遊歩道位に止めて欲しいものだが・・。
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駐車場の一角に、明治・大正期の文人、大町桂月(1869-1925)の歌碑『大瀑(おおばく)の底まではみえぬ紅葉(もみじ)かな』と、桂月が岩木山登山を果たした翌々日の大正十一年(1922年)10月16日、暗門滝を探勝しての紀行文「岩木山より暗門滝へ、四、暗門滝」の抜粋が次のように黒御影石に刻まれている。『津軽平野を貫流する岩木川の奥に、暗門滝とて、陸奥第一の大瀑あるが、地僻(ちへき)にして訪ふ者稀なりとは、惜しきもの哉。いでや、我れ岩木山を下りて、之を訪はむとす。(中略)―林道と別れて渓流を縫う。山高く、谷ふかし、屏風の如き巨巌に挟まれて、渓流踊る。右岸を伝ふに、一尺幅の路つき居れり。滝見物の便を図りて、斎藤氏の開けるなりと聞く。之を過ぎて、直Img20191019_11001042 下十七尋(ひろ)の瀑布を仰ぐ。斎藤氏の開けたる石路はなほその右崖につづく。滝の上部に至りて石路尽きて、巌の傾斜急也。手がかりも無く、足がかりも無し。滑らば窮谷(きゅうこく)の鬼とならむ。手も足も胸も腹も巌面に付着させて、横に這ひて、ほっと一と息つく。直下二十二尋の瀑布を仰ぐ。木の根巌角にとりつきて左の崖を攀じ、一峰の上に出で、下りて渓流に逢ひ、渓流に沿うて下りて、一瀑布の頭に至る。落口を見て、瀑身を見ず。一寸左に上がれば、二個の陰石あり。(中略)―残れる陰石よりなほ少し進めば、一樹巌頭に横はる。その樹にすがりて、始めて瀑布の全身を見る。この滝も直下す。三十三尋と称す。三瀑を総称して暗門滝といふ。在来の書物に三段の滝と記せるは誤れり。段には非ず。数町づつ隔てる也。大中小と上より順にかかる。大瀑一つにても天下の壮観なるに、中と小とを加へ、上下十数町の間、岸壁高く、老樹茂りて、深山幽谷の極致を発揮す。岩木山が天下の名山なると同じく、暗門滝も天下の名瀑也』。
登山靴に履き替え、行動食と飲み物だけ持って身軽に滝見物へ。暗門大橋を渡って右折、公衆トイレを過ぎると、入り口ゲートが現れ、傍らの小屋に「白神山地・暗門の滝」森林環境整備推進協議会スタッフが駐在する。そこで、遊歩道整備協力金300円、安全ヘルメットのレンタル料100円を支払い、マザーツリー絵柄の「協力者カード」を受け取る。滝見物にお金を払うのは袋田の滝以来、半強制なのだから協力金などと言わず見学料として堂々と徴収したらよいのでは。今日の見学者は自分で5人目とか、2015年の落石死傷事故以来一旦遊歩道を閉鎖して昨夏ようやく再開したばかり、見学者は激減している。始めは右岸の遊歩道を行く。トチの実がコロコロ、清流に30cm位の大イワナが泳ぐ。橋で左岸に移って林の中を歩く。
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花はウメバチソウ、キツリフネ、ダイモンジソウ、ツリフネソウ、ミゾソバなど、きのこはアセタケの仲間、オシロイタケ、カヤタケ、キホコリタケ、スギヒラタケ、チャワンタケの仲間など。その先の橋の袂の案内板が分かり難く、誤ってブナ林遊歩道に迷い込む。駐車場にあと1.3km道標地点まで上って道迷いに気付き、橋まで戻って左岸を直進。渓谷沿いの狭い桟道を進む。岩木川の支流暗門川は渓谷美には程遠く平凡な渓相であるが、岩魚が泳ぎ野生の猿が出現するなど、さすがに自然度は高い。道は良く整備されており、ハイヒールでは厳しいが登山靴じゃなくても大丈夫。ダイモンジソウが群落を成す岩壁をへつるように進むと、12:20ようやく第三の滝(落差26m)に到着、びっくりするほどの大滝ではないが清々しい。
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第二滝へは右側から急階段を上がり、大岩ゴロゴロの間の路を行く。12:30第二の滝(落差37m)に出る。垂直に落下する瀑身が美しく滝壺近くまで寄れるので水飛沫とマイナスイオンをたっぷり浴びることが出来る。千葉市から来たという男性と互いに記念写真を撮り合う。第一の滝(落差42m)へは右手から道があるが、登り口に立ち入り禁止の看板とロープが張られており、登路は藪に覆われている。帰りはトチの実を拾いながら往路を引き返し、13:45無事車に戻る。所要2時間45分、10500歩、7.7㎞の散策。バナナを食べてから、カーナビ目的地を弘前文化会館にセット、弘前城見学へ。(続く)

 

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